「Why Diversity」 イベントレポート

2016.3.10

2016.3.10 ChangeWAVE

日本企業にダイバーシティ経営は必要か?

2016年3月4日(金)開催

 〈REPORT〉

去る3月4日、岡村製作所様ご協力の下、紀尾井町ショールームにて、弊社イベント「WHY DIVERSITY~日本企業にダイバーシティ経営は必要か~」を開催しました。

「ダイバーシティ」が叫ばれて久しい昨今。女性活躍推進法も制定され、「ダイバーシティ」が「女性活用」に単純に読み替えられることも少なくありません。

でも、企業経営にとって「ダイバーシティ」は、一体なんのために必要なのか──。

その問いに対する答えについて、経営学からの視点、先端企業からの視点、従業員からの視点を行き来しながら、当日ご参加いただいた34社、80名を超える経営者・人事・ダイバーシティ推進責任者の方々と探求し合う、あっという間の2時間半となりました。

ダイバーシティイベント1

 

最初に口火を切られたのは、著書「ビジネススクールでは学べない最先端の経営学」がベストセラーの早稲田大学ビジネススクール准教授入山章栄先生。

企業経営にとってダイバーシティの目的はだた一つ、異なる「知と知」を結合してイノベーションを起こし続けること。つまり異なる経験、知見に着目した「タスク型ダイバーシティ」が本来経営が目指す姿。

女性か男性か、日本人か外国人か、といった外形にのみ着目した「デモグラフィー型ダイバーシティ」は、イノベーションにつながらないどころか、デモグラフィー間の「断層」を生み、むしろ害悪になる場合すらある──。こうした先生の明晰な理論提示に、会場が一瞬はっと息をのむ瞬間さえありました。

しかしながら、身近な「見た目」で判断し、社会イデオロギーと結び付けて無意識にカテゴリー分けしてしまうのが認知科学上の人の性。だから「女性活躍推進」というのはそれらを可能な限りとり除き、本来の意味での「タスク型ダイバーシティ」に舵を切っていくための、とても重要な一歩と考えるべき。

「やるならば、デモグラフィー型のマイナスを払拭するために、無意識下にある断層を排除努力とセットで行うこと。断層が簡単に起きないように年齢や国籍のダイバーシティを取り混ぜるなど、徹底してやることが大事」と、これからの企業の女性活躍推進のありざまについて、重要な示唆をいただきました。

ダイバーシティ入山先生

 

続いて、ダイバーシティ推進先進企業のリアルな実態について、弊社佐々木と中野のファシリテーションのもと、永谷園大隅様、日本IBM梅田様のパネルディスカッション。

先進企業でダイバーシティ推進が進んだのは「経営危機に瀕した結果、生き残りのため」であったことや、トランスジェンダーの方が痛感した、外形が男であるときと女であるときの周りの扱いの違いなどが共有され、本質的なダイバーシティ推進を進めていくうえでの考え方や難しさについて、企業のおかれているステージの進化を踏まえながら、具体的な体験談が共有されました。

会場からは、現状は表面的なダイバーシティの体裁を整えるのにいそしまざるを得ないという実情や、その中にあって何から手をつけるべきなのか、社内でどのような議論をすべきか、といった非常にリアルな悩みが挙げられました。

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このイベントを終えて我々が改めて認識したのは、ダイバーシティを法規制などへの対応義務と捉えるのではなく、「経営の生き残りを図る手段」と捉える必要があるということ。そしてそれは、決して一筋縄では実現できず、心地の良いものでもないことを、覚悟しておく必要があるということ。

「究極のところ、自分の意見や価値観を否定する人を許容するキャパシティを、ここにいるみなさん全員が持てるか、ということです」(入山先生)

私たちも様々な企業のダイバーシティや事業変革の支援をさせていただく変革屋として、改めて身を引き締め、未来に向けた覚悟を新たにするひと時となりました。

本イベントにご参画いただいた皆様、本イベント実現にご協力いただいた皆様に、本当に心より厚く御礼申し上げます。

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