「やってみよう!」 女性管理職に踏み出すために~KDDI株式会社様 事例報告~

2018.6.21

2018.6.21 ChangeWAVE

チェンジウェーブが企業に伴走させていただく「変革」はすべてがオーダーメイド。決まったパターンはありません。「女性活躍推進」といっても、その企業の置かれた状況や課題、風土によって必要なアプローチは全く違うからです。

「管理職候補の女性を一気にエンパワーメントできないか」というご相談から始まり、会社全体で取り組むプログラムの開催に至った、KDDI株式会社様の事例をご紹介します。

女性管理職への壁は何か

「(管理職登用は)嬉しい話だが、不安」
KDDI株式会社で行われた「JLP Encourage Meeting」。スタート時、全国から集まった約100人の女性管理職候補者の約100人のうち、45%がこう答えました。

同社は「ダイバーシティが基本」を企業理念の一つに掲げ、多様な人材の活躍支援に取り組まれています。チェンジウェーブが企画・運営を務める「新世代エイジョカレッジ(エイカレ)」にも初年度から参加、女性リーダーの育成を進めてこられました。
しかし、この流れをもっと一気に進めたい、それにはエイカレで体感した「短期間でインパクトを与える仕掛け」を社内に導入できないだろうか、とチェンジウェーブにご相談をいただきました。

女性社員が管理職に壁を感じるのは何が原因なのか。ヒアリングを通して浮かんだ課題のひとつは「視野を広げる機会が少ない」ことでした。
日々忙しく、社内外のネットワーク作りが難しいためか、管理職への不安を払拭できるようなアドバイスを得る機会がなく、業務で判断に迷った時にも相談できる相手が少ないのではないか。そう考えたチェンジウェーブでは、まず、女性社員の助けとなる「ネットワーク作り」を主な目的に据え、プログラムを設計することにとしました。


KDDI様:CW藤原

開催当日。まず田中孝司社長(現・会長)が挨拶に立ち、参加者に対する期待を伝えていただきました。

チャンスを活かし、もう一歩踏み出してください。女性は遠慮しがち。優秀でも、実績に気づかれていない場合があります。社内でもっと自分をアピールしてほしい。

と期待を伝えました。
こうしたトップからのメッセージは、会社の本気度を示すバロメーターになります。


KDDI様:田中会長

タテ、ヨコ、ナナメのネットワーク

プログラムのメインとなるネットワーク作りには、4段階のステップを作りました。
まず、「ヨコのネットワーク」。単なる自己紹介ではなく、動きも交えたグループワークで場は盛り上がり、一気に賑やかな雰囲気になりました。

そして「タテのネットワーク」として、部長、副部長を務める女性3人がロールモデルとして登壇し、パネルディスカッションを行いました。
「チャンスにはとりあえず乗ってみる! そこから自覚は促されます」
「目の前の仕事を一生懸命やると、必ず次が来ますよ」
「周囲と調和して、広く関係性を見るのは女性の得意なこと。管理職に向いています」
「ネットワークを使って危機管理を! 誠実な対話とつながりが大切です」
など、経験者ならではのアドバイスに加え、後輩たちの背中を押す力強いエールが送られました。


KDDI様:パネル

さらに参加者に近い立場として、ライン長(※)の10人が参加してくださいました。
「ワークとライフ、両立するための時間の使い方は」「転勤はどう乗り越えるのか」「管理職になる自信はどこから?」など、事前に参加者から寄せられた「リアルに聞きたい」質問にライン長が具体的な事例で答えると、「そこが知りたかったんです!」「パワーをもらいました」など、参加者から次々に声があがりました。

※ライン長:組織のリーダー職で人事評価の権限を持つ管理職

最後に、新規事業開発で活躍する女性エグゼクティブの講演など、「社外のネットワーク」からの新たなインプットも加えました。
視座を上げ、多角的に今後のキャリアを考える糧にしてほしいという狙いです。

右脳でとらえるキャリア


KDDI様:エモグラフィ

このほかにも、エモグラフィー(表情を描くメソッド)を用いるなど、通常業務での思考とは異なるアプローチでキャリアを振り返り、アクションプランを作成するワークを行いました。「研修」と聞くと構えてしまう人も、右脳を使ったワークでは思わぬ発見ができる場合が多く、キャリアを俯瞰し、違った角度でとらえ直す機会を作ることができます。

やってみよう!のパワーが生まれる

終了後のアンケートでは、参加者84名から感想が寄せられました。

  • 管理職が身近に感じられ、自分も目指していいんだと思えた。
  • 仲間は多いと感じられた。前向きな女性、強くていいですよね!
  • 自分だけが悩んでいるわけではない、前に進もうと思えるきっかけになった。
  • もう躊躇しません。まずはやってみます!
  • 私らしくできることから積み重ねていけばいいんだと思い、気が楽になった。

などのほか、イベント全体についても100%の参加者から有意義だったとの回答が得られました。


アンケート結果

  1. 同じような状況で頑張る仲間に会えて良かった=45名
  2. 新しい気づきが得られて良かった=37名
  3. あまり得るものはなかった=0名
  4. その他=1名(管理職の楽しみ方がわかった、本音のコメントが聞けてよかった、など)

企画した人事部 、D&I推進室の小林千春様からは「プログラムが進むにつれて皆さんの目がどんどん輝いていくのを見て、とても嬉しく思いました。最後には『やってみよう!』という頼もしい言葉が出ましたし、女性の力を痛感しました」との感想をいただきました。


KDDI様:宣言

「女性」と言っても、当然もちろんみんな同じではありません。風土や組織戦略にあわせた変革の仕掛けを作る重要性を、私たちChange WAVEのメンバーも改めて感じることができました。

KDDI株式会社の皆様、ありがとうございました!


KDDI様 JLP Encourage Meetingグラレコ
当日はグラフィックレコーディングも入っていました!

ChangeWAVE

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