課題設定力を磨く 変革の仕掛け方 ~MICHIKARA仕様書作成研修~

2020.6.29

2020.6.29 ChangeWAVE

「組織で変革を起こすために、大切なことは何ですか?」
「なかなか変わらない企業を変えるには、何が必要ですか?」

withコロナ時代、多くの組織や人が強制的に変化を受け入れざるをえない状況に陥り、ニューノーマルに脱皮するための模索を続けています。企業の変革をお手伝いしているチェンジウェーブにも、このコロナ禍を変革のチャンスにしたいという企業様からのご相談をいただきます。
しかし、変化のスピードはますます激しく、先行きは不透明。漠然とした課題感だけで進んでも、的確な打ち手は見つけられません。

チェンジウェーブがデザインする「変革」は、対象となる組織、人によって全く違います。
本質課題を特定し、解決可能性を最大限に上げるための仕掛けを考え、多様な力のシナジーを最大化する手段をとる。抽象的ですが、これが「変革屋」のこだわりです。
そして、論理的に正しいことであっても、実際の動き(解決)につながらなければ意味がないと考えています。

そのための具体策は幾つかあるのですが、今回はそのうちの一つとして「課題設定力を高める」ということについて、お伝えしたいと思います。

変革に必要な「課題設定力」とは

今回は、チェンジウェーブが企画・運営する「MICHIKARA 地方創生協働リーダーシッププログラム」を例に考えます。

MICHIKARAは、民間企業のリーダー人材と自治体(塩尻市)職員が協働し、イノベーションを起こすためのプラットフォームです。
参加者は幾つかのチームに分かれ、半日のキックオフと2泊3日の合宿という短期間で地域課題の解決策を探り、市長提言するという仕立てです。企業からは研修として参加していただくため、人材育成の機会となっていますが、「リアルな課題に挑み、実現可能な策を出す」「異なる価値観がぶつかる、官民協働の場である」ことが特長です。体育館活用戦略、空き家対策、子育て世代の復職支援など、実際に予算が組まれ事業化された施策は、提言の3割以上にものぼります。

2019年MICHIKARA第5期塩尻合宿

このMICHIKARAにおいて、重要な要素となるのが「仕様書」です。各グループに出される「課題」のことで、どんなテーマで何を解決してほしいのか、目指す成果や制約条件を具体的に示して課題の焦点を明確にしています。
問題の解決可能性を上げるためには、本質的な課題を明確に絞り込み、定義し、ブレずに伝えることが大切なのです。
加えて、MICHIKARAでは3日間で解決可能であることが予見できる、というのも課題設定のポイントです。

課題設定 5つの要件

この課題設定力は、MICHIKARAだけでなくビジネスの現場でも、重要なスキルです。
漠然としていて何が問題か分からない、的が大きすぎる、何のためにやるのかが分からない、これまでにトライしたことがあり、既に結果が見えている…そうした課題に取り組んでいては、解決は難しくなります。小さな成功体験を積み上げてPDCAを回すのはビジネスの定石だと言われますが、いつまでも先延ばしにするのではなく、その組織が定めた時間軸でまずは可能なゴールを目指し、完遂した後でまた次のゴールを決めていく、というのは確実な変化を起こすために必須と言えます。

先が見えにくい時代にあっても目標を外さず、よりスピーディに課題を解決していきたい。そうした企業やビジネスパーソンのご要望に応え、チェンジウェーブでは仕様書作成を研修として実施しています。

この時、お伝えするポイントは以下の5つです。

  1. 解決可能性
  2. 本質性
  3. 当事者意識と実行力
  4. 既知情報の必要十分性
  5. 明確性・具体性

それぞれの詳細な説明について本稿では触れませんが、前述の通り、目指す成果をできる限り具体的に言葉にします。
その過程では打ち手(How)に気持ちが向いてしまう方も多く、「そもそも何を解決したかったのか?」「本質的な解決にならないのでは?」など、参加者間で厳しいフィードバックが飛ぶこともあります。

しかし、テーマ選定の背景から始まり、プロジェクトで解決したい課題、そのための資料までを含んだ仕様書、A4の用紙にして約2枚を書ききると、「何をしたいのか」「なぜやりたいか」「これまで何が足りなかったのか」がご自身の中で明確になってきます。

仕様書作成研修でお伝えできるのはほんの一部にすぎないかもしれませんが、課題設定力、すなわち「解像度を上げて見る力」や「本質とリアルを捉える力」は、変革を起こすために必須のスキルではないかとチェンジウェーブでは考えています。

【クリティカルシンキング・課題設計研修のお知らせ】

MICHIKARAの舞台である長野県塩尻市では、関係人口創出・拡大事業の一環として、2020年7月、クリティカルシンキング・課題設計研修を実施します。
講師はチェンジウェーブ・佐々木裕子が務めます。
詳細は以下をご覧ください。
https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/kikakuseisaku/tihousousei/MICHIKARA.html

【MICHIKARA第6期参加企業 申込受付中】

MICHIKARAについて、詳しくはこちらからご覧ください。
http://michikara.com/index.html
https://www.g-mark.org/award/describe/44585

チェンジウェーブ代表佐々木氏による”クリティカルシンキング”研修(塩尻市役所/総務省「関係人口創出・拡大事業」MEGURUプロジェクト)

Description 地域における課題は複雑化する一方、その解決には官民での連携が求められています。塩尻市はいち早く官民連携に取り組み、その代表例が「MICHIKARA ー地方創生協働リーダーシッププログラム」です。課題を抱えるリアルなフィールドで、市職員と民間企業のリーダーがともに本気で課題解決に挑んできました。 …

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