【変革の仕掛け方1】本質課題に迫る、企業変革へのアプローチ

2017.9.26

2017.9.26 藤原智子
取締役副社長

チェンジウェーブでは「業界・企業・領域横断の社会変革デザイン」「経営変革・組織変革」「ダイバーシティ&インクルージョン推進」「次世代リーダー育成」「営業変革」の5セグメントで組織、人材の変革をサポートさせていただいています。

今回は、経営変革の過程で重要視するポイントについて、副代表の藤原智子がお話しいたします。


■本質課題に迫らなければ「働き方改革」は骨抜きになる

チェンジウェーブにご相談いただくのは、組織変革、営業変革、リーダー育成など多岐に渡るのですが、まずは私が担当させていただいた「ダイバーシティ推進をしたい」というご相談を例に考えてみようと思います。なぜなら、ヒアリングの過程で深堀りしていくと、本質的な課題は違うところにあった、ということがしばしば起こっているからです。実はここが大切なところです。経営変革に取り組む場合、表面的な課題感だけで進んでしまうと大きな失敗を招きかねません。まずは本質課題を探り、認識を深めていただくことに時間をかけたいと考えています。

ですから、最初のご相談がダイバーシティ推進であったとしても、のちに経営変革につながる本質課題へと広がっていくことはまれではありません。

■表面的な課題感に惑わされない

  具体的にはどんなケースが考えられますか

例えば、トップダウンで始まる「女性活躍推進」を考えてみます。経営者が「やるぞ!」とかけ声をかけたのは良いけれど、社員は何をしてよいのかわからない、というような状況になっていないでしょうか。何のためにやるのか議論されていないので、社員に納得感がないんですね。当然、なかなか進まないわけです。すると経営者は「社員は何もわかっていない、だからダメなんだ」と思ってしまい、負のスパイラルに陥ります。

もちろん、経営者の意向に沿って粛々と進める方法はあります。制度を作る、体制を見直す、などです。しかし、理由もわからないのでは気持ちが入りませんし、極端な話、経営陣が変わったら元に戻ってしまう可能性が高いんです。

おそらく経営陣は、強い危機意識からダイバーシティを推進したいと思われているはずです。ビジネスの世界は今や企業間の競争にとどまらず、業界を越え、場合によっては国籍も越えての勝負になります。こうした中で真の現場ニーズをとらえ、イノベーションを起こすためにはダイバーシティ推進が必要になる、と考えていらっしゃるのです。けれど、それが経営陣の間でさえ共有できていない場合があります。

トップがいくら深く考えていたとしても、社員が背景を理解できないのではせっかくの機会も無駄になってしまいます。目指すところを社内で共有し、一枚岩の体制を作らないと経営変革は難しいんです。そのためには正しいステップを踏む必要がありますし、場合によっては組織全体の構造改革が必要になるかもしれません。ここまで掘り下げると、もはやダイバーシティ推進だけの問題ではないことが見えてきます。こうして本質課題を探りあて、初めて変革の仕掛けをデザインする段階になります。

■思い込みの枠を外す

女性管理職を増やしたいというご要望を受けてヒアリングしてみたら、実は「男女問わず」管理職に昇進することを嫌がっていた、というケースもあります。「管理職=長時間労働」という意識が強く、あんな風に働きたくないと多くの社員が思っている。つまり管理職自体に魅力がないと思われているのですから、問題は女性管理職の数に限った話ではありません。まず解決しなくてはならないのは「長時間労働」です。

  わかっていても変えられない、という声がよく聞かれます。

企業によって違いはありますが、「成功体験を作る少人数のトライアル」を「個人にフォーカスした目標設定」で始める、といった方法を検討します。

長時間労働が問題となる職場では、「本音では健康面も心配だし、もう少し自由な時間も欲しい。残業はNOだとわかっているが、今の立場では削減は難しい」という声がよく聞かれます。私たちは「会社ではなく、あなたはどうしたいですか?」と問いかけ、自分の「思い込み」で削れなかった業務をあぶり出していきます。ここにチェンジウェーブという外圧、強制の力をうまく使っていただきます。

例えば「定時退社したい」とおっしゃった管理職の方には、短期のトライアルで残業削減に取り組んでいただきましたが、業績は下がりませんでした。そればかりかマネジメントの工夫で部下には成長が見られ、他のメンバーの満足度も同程度、もしくは上がったという結果まで得られました。

これは、初めにお受けしたご相談が「女性管理職を増やすこと」でも、実は本質的な課題は「長時間労働の是正」にあったという事例です。こうした企業では、長時間労働を改善すると自然に管理職を目指そうという人材が増えてきます。

  クライアントご自身が気づかなかった本質課題を見つける場合があるのですね。

だからこそ、表面的な課題解決は禁物だと考えています。時流に乗って、「とにかく働き方改革を進めなくては」と考えてしまうと、大きく打ち手を間違えます。制度だけ作っておしまい、では真の変革は起きません。

■とことん伴走して「自走」に火をつける

  実際の変革プログラムでは何を重要視しますか。

本質課題を認識していただいたうえで、どんな取り組みをされたいのかを伺い、プログラムをご提案しますが、チェンジウェーブに「パッケージ」はありません。業界の特性、社の風土など様々な要素を考え合わせ、施策実施の順番や対象の特定を綿密に行っています。1社として同じ仕立てはないですし、多様なアプローチで変革に取り組めるのは、様々なプロフェッショナルの集団だからこそできることだと自負しています。

ただ、綿密な計画を立てたとしても、変化はつきものです。担当される方、企業の状況が変わる場合もあります。それでもきちんと変化にコミットするためには、チームとして「伴走」する必要があると考えています。ただし、何をするのかを決めるのは私たちではありません。「解決の方法論やアイデアは提案します、ですから私たちを上手に使ってください」とよく申し上げています。
ゴールまで伴走し、「自走」に火をつける。もちろん長くお付き合いさせていただきたいですが(笑)、私たちが不要になる状態までチームとして取り組むのが、チェンジウェーブのやり方です。

これまでいくつもの企業に伴走させていただきましたが、「自走」し始めた人・組織のパワーは素晴らしいです。初めは小さくても、波のように広がって周囲に確かな火をつけます。そうして大きなムーブメントになっていくのを見せていただくと、伴走する私たちも身がひきしまる思いがします。本質課題に迫り、多面的に状況を見てから変化をデザインすることを、今後も大事にしていきたいと思っています。


変革の仕掛け方
【変革の仕掛け方1】本質課題に迫る、企業変革へのアプローチ
【変革の仕掛け方2】同時に「2つの変化」を起こす
【変革の仕掛け方3】デザインで変革に挑む

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