無意識バイアス 講演事例
ダイバーシティマネジメントと無意識バイアスへの対処

2021.8.16

2021.8.16 ChangeWAVE

新型コロナウィルス感染症拡大の影響が1年以上続き、先行きが不透明な状況が続く中、企業や組織ではこうした環境変化に対応すべく変革が迫られています。
こうした時代にあって、多様な人財が持つ「個の力」を最大化し、新たな価値創造に取り組もうとダイバーシティ&インクルージョンを推進されている株式会社IHI様でオンライン講演を開催させていただきました。

多様なメンバーを活かすため、
管理職が無意識バイアスについて学ぶ

今回の講演は、株式会社IHI航空・宇宙・防衛事業領域に所属される部課長層150名様を対象に実施させていただきました。
同社は、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な人材戦略の一つとして積極的に推進されており、女性活躍推進への取り組みが優良な企業として「えるぼし」にも認定されています。

女性活躍に留まらずダイバーシティ推進を加速させ、多様なメンバーの知見を活かしたい。ダイバーシティ推進に不可欠な「無意識バイアスの対処」について、直接アサインメントに関わる管理職層の理解を深めたい。今回チェンジウェーブにご相談くださったネットワークリーダー(若手女性基幹職から組成される、ダイバーシティ推進活動を行う全社的な組織)の皆様は、そうした強い想いをお持ちでした。
また、満岡会長も、サステナブルな社会実現のために「効率性を重視し共通の正解を目指す、過去のビジネスモデルからの脱却」と「そのためのダイバーシティ推進の必要性」について意気込みを示されていました。


ネットワークリーダー(若手女性基幹職から組成される、ダイバーシティ推進活動を行う全社的な組織)の皆様

 

ダイバーシティマネジメントの本質とは

コロナ禍で業務のオンライン化が進み、在宅勤務を導入した企業が増えるなどした影響もあり、働く人たちのキャリア観やライフスタイルは大きく変容しました。組織と人の関係性も一律ではなくなっており、経営層と現場をつなぐ管理職に求められる役割はより大きくなっていると言えます。
しかし、ダイバーシティを推進し、多様な人材をマネジメントするうえでは、意思決定に時間がかかったり、認識を合わせるのに手間がかかったりと、時に居心地の悪さや効率の悪さも伴います。管理職が難しい局面に直面する現実も多く見られます。
講演では、ご自身の多様性について、オンラインで実施できるワークを通して体感いただき、そうした難しさを超えてダイバーシティを推進する意義についてお伝えしました。

 

ダイバーシティ推進における最大の壁は無意識バイアス

ダイバーシティ推進の阻害要因として注目されているのが「無意識バイアス(アンコンシャス・バイアス)」です。
経験則によってパターン認識をし、判断のスピードを早める「無意識バイアス」は、人間であれば誰もが持つ不可欠な機能です。しかし、それが無意識のうちに自分の基準、固定観念で相手を評価したり、決めつけたりすることにつながると、個の活躍を阻むリスクを孕んでいます。
例えば、管理職層が自身の無意識バイアスにより「若手に重要案件を任せるのは無理だ」「育児中の女性にリーダーは難しい」「シニアに新規事業は向いていない」などと思い、不均衡な機会提供・情報提供を行うと、属性だけで判断された部下の可能性に蓋をすることになり、能力が活かされなくなります。公平な仕事の割り振り(アサインメント)は実現されません。

しかし、このような言動のもとになる無意識バイアスは、無意識であるがゆえに気づくことが難しく、自分ごとになりにくいことがしばしば課題として挙げられます。
このため、講演では、ご自身の無意識バイアスを体感いただけるワークや、チェンジウェーブのeラーニングツール「ANGLE」の定量データをご紹介しながら、無意識バイアスについての理解を深めていただきました。

 

91%の管理職が自身の「無意識バイアスに気づいた」

講演の最後には、受講者の皆様に「最も印象に残ったこと」についてチャット欄にご記入いただきました。オンライン講演は一方通行となりやすいと言われますが、体感型のワークを取り入れたこともあってか、皆様、非常に熱量高く気づきを言語化してくださり、全体の場で共有されていました。

受講後のアンケートでは、「無意識バイアスを知っていたか?」という質問に対し「知らなかった」と答えられた方が42%いらっしゃいましたが、「講演を通して無意識バイアスに気づけた」と回答された方が91%、「自分の部署で無意識バイアスが影響していると思う」と回答された方が73%と、無意識バイアスの存在を実感していただけたことが伝わってきました。

無意識バイアスの効果グラフ01

また非常に多くの感想やご質問をお寄せいただき、数百字を超えるコメントをくださった方もいらっしゃったとのこと。「対象者を広げて皆で学ぶべき!」等の前向きな意見が多数寄せられたそうです。

下記にご担当者からいただいた感想をご紹介します。

 

株式会社IHI
航空・宇宙・防衛事業領域 事業推進部 TQM推進グループ 大熊まなみ様

日々相談している相手が偏っていることなど、無意識に行っていたアクションを振り返る良い機会となりました。受講者も、性別に加え年齢や職位への無意識バイアスに対して大きな気付きがあったようです。
また、意図せず行われがちな性別による機会提供の不均衡が、少しずつ育成機会の差を生み、それが積み重なることで能力差にも繋がるというお話では、多様な人材の能力を活かしていくための重要な気付きが得られました。アサインメント・育成機会の付与という面でも、無意識バイアスの存在に気づけたことで、改善につながるのではと考えています。

無意識バイアスは幼少期に形成され、なくすことはできないとされています。
このため、講演でも、無意識バイアスの知識習得に留まらず、それをコントロールするためのポイントや管理職の具体事例等を紹介させていただき、行動に落とし込むヒントをお伝えしました。
IHI様では、さらに自分ごととして無意識バイアスを認知し、コントロールするスキルの習得を図るため、チェンジウェーブのeラーニングツール「ANGLE」のご受講を進められる予定です。
IHI様のダイバーシティ推進がさらに加速する一助となれば幸いです。

 

ANGLEについて、詳しくは下記をご覧ください。
https://changewave.co.jp/product/

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