【変革の仕掛け方2】同時に「2つの変化」を起こす

2017.10.31

2017.10.31 assistant

「変革の仕掛け方」についてお伝えする2回目、今回のテーマは「2つの変化で変革を起こす」です。
前回は、経営変革を始めるにあたって、まずは課題整理が重要であることをお伝えしましたが、
次の段階である変革デザインにおいては、「自ら変化する強い組織を作る」ために「人に焦点をあてる」ことが不可欠だとチェンジウェーブでは考えています。

組織づくりと個人の意識の相関性、そして変革のためのアプローチについて、チェンジプロデューサー、エグゼクティブコーチの美園恭子がお話しいたします。


■両輪を回して変化を加速させる

チェンジウェーブの変革デザインの特徴は、短期間で、目に見える「2つの変化」を同時に創出することにあります。その一つは事業的、組織的な変化。事業、戦略、業務改善など、具体的に施策を動かすもの。そしてもう一つが個人の成長、変化です。一人一人が実現したいこと、目指す姿を見つけて一歩踏み出す。この2つを両輪として同時に回し、変化を加速させる仕掛けを作ります。

  2つの変化を同時に起こす理由は何ですか?

どちらか片方だけの変化では自ら進化できる組織は作れないからです。
よく伺うのは「以前、コンサルに依頼した時は課題を解決できた。しかし時間が経ったら元通りになってしまったばかりか、新しい課題が生まれても対応できない」というような状況です。他者に解決してもらって終わり、では、いつまでも誰かに頼り続けねばなりません。
一方、目に見える事柄だけでなく、人の意識や行動が変わることによって自走できるようになった組織はどんどん強くなり、自ら新しいものを生み出せるようになります。私はその起点となる「人の変化」を、コーチングでサポートしています。

■真のリーダーシップ発揮をコーチングで支援する

私たちが目指す「人の変化」とは、「自らの可能性を信じ、個性と能力を最大限発揮することで目指す姿に向かって変容すること」。それをコーチングで支援しています。
具体的にはクライアントとコーチとの対話によって

  • クライアントが自分の感情、視点、思い込みなどに気づく
  • 自分の感情、思い込みなどによる判断や行動が周囲に与える影響を、客観的に俯瞰で認識する
  • クライアント自身が目指したい姿を明確にする
  • 変容のためのアクションを決めて実行する(実行したら振り返りや再設定を行う)

といった本質的な変化を呼び起こします。
特にチェンジウェーブでは、事業のビジョンや戦略、リーダーが置かれている状況への背景理解を踏まえ、マネジメント層のリーダーシップ発揮をサポートしています。

  具体的な導入例を教えてください。

まずは、組織や風土を変革したい、新事業を展開したい、といった企業の例です。
これまでのやり方から抜け出し、新しい価値を創造したいがどうしたらよいのかわからない、チャレンジする風土がない、と経営層は嘆かれます。
しかし、実はその方々のマネジメントがネックになっていることがあります。失敗への懸念から部下への権限移譲ができないなど、「無意識のおそれ」が変革を止めてしまっているような場合です。可能性を信じて社員にチャレンジさせるには、まずは経営層の意識や在り方を、そしてマネジメントのやり方を変えなくてはなりません。そこにコーチングを用います。

また、トランジション(役割移行期)のリーダーの視座を引き上げ、 新しいポジションで成すべきことを認識していただくためのサポートなどもしています。
例えば、事業本部長に昇格されたにも関わらず、出身部署が気になり、後任の部長にご自分のやり方をそのまま継承させようとする、または部長を飛び越えて担当者に直接指示を出す、など、善意でされたことが結果として組織のパフォーマンスを悪化させているといった場合です。
客観的に今の立場を俯瞰して「どうあり、どう振る舞うべきか」を認識し、思い入れのある事業をさらに発展させるためにも「新部長に託すこと、自分が関わることは何か」をコーチとの対話で再確認していただきます。

 

■「わかっていても……」からの変化

  目指す姿が見えたとしても、なかなか変われないのが現実では。

経営層やリーダーも人間ですから、周りの評価を気にして本質的ではない判断をしてしまう、日和見的で決断できない、逆に自分を守るために相手に対して批判的な行動をとってしまう、などということがあります。
ハーバード大学教育大学院のロバート・キーガン博士は、それは「環境順応型の知性(※)」から生まれる当然の反応だと指摘しています。

※環境順応型の知性
大人の知性を示す3段階の1つ。
周囲からどのように見られ、どういう役割を期待されるかによって自己が形成される段階。
※この場合の「知性」は考え方や思考を意味し、知能の意ではない。

エグゼクティブコーチングでは、自己変容型への成長のため、ご自身の行動の根底にあるものに向き合っていただきますが、その過程ではこれまで気づかなかった感情やコンプレックスなど、一般的にはネガティブと捉えられる部分 も出てきます。
しかし、それは誰にでも内在するものですし、本音で話す「安心、安全の場」ですから、そのままを出してくださいと申し上げています。良い、悪い、などの評価はせず、何に反応しているのかを紐解いていくだけです。すると、ご自身の行動は過去の成功、失敗などの体験による思い込みや固定観念に無意識のうちに縛られていたのだと認識できます。

これらを理解したうえで、目指す姿、とるべき行動を明確にすると、周囲との関係性も変わってきます。これが、真のリーダーシップを発揮できる「変化」です。

■人の変化が組織の変化を促す

  人の変化はどのように事業変革とつながるのですか?

例えば、先ほどの事業本部長のような場合、ご本人の変化によって組織全体のパフォーマンスが上がってきます。その上で今度は戦略的に、事業変革において「小さな成功体験」を作ります。
例えば部下にプロジェクトを担わせて成功し、彼らに成長が見られたと考えてください。本人はもちろん周囲も「やればできる」「意外と任せて大丈夫だ」などと思考が転換し、変化の可能性を信じられるようになります。すると、次はより大きな事業へと施策が動き、それがまたさらなるチャレンジ、人の成長へとつながる……という、サイクルが回るようになります。こうなると変革は確実に、加速度的に進みます。
こうした、人を深く理解した効果的なアプローチはチェンジウェーブの特長ではないかと思います。

私はもともとコーチとして独立し、人の成長をサポートしてきました。しかし、コーチングでクライアント個人の意識や視点を変化させたり、モチベーションを鼓舞したりすることはできても、その方の所属する組織の状況が変わらないと、やがて成長速度は落ちていきます。そこにジレンマを感じていましたし、組織で奮闘する方々に、コーチングをより生かせる方法はないかと考えていました。
そんな時にチェンジウェーブに出会い、「事柄の変化と人の変化、両輪が動くことがやはり大事だ」と共感し、参画を決めました。このことはエグゼクティブコーチングを通して今、さらに強く実感しています。
これからも私は「人の変化」の専門家として、人の可能性を信じ、クライアントの皆さまや弊社の多様なメンバーと共に変化の波を起こしていきたいと思っています。


変革の仕掛け方
【変革の仕掛け方1】本質課題に迫る、企業変革へのアプローチ
【変革の仕掛け方2】同時に「2つの変化」を起こす
【変革の仕掛け方3】デザインで変革に挑む

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