実感のある「自分ごと」化を目指した
株式会社ポーラ様 事例紹介

2023.8.9

2023.8.9 ChangeWAVE

実感のある「自分ごと」化を目指した
株式会社ポーラ様 事例紹介

2029年に創立100周年を迎える株式会社ポーラ。現在、ポーラでは「私と社会の可能性を信じられるつながりであふれる社会」という行動スローガンを掲げています。その実現に向けては、社会・経済・環境を軸にサステナブルな視点でテーマを設定し、事業活動を実践することが必要であり、その土台にはダイバーシティがあると定義されています。

本レポートでは、株式会社ポーラが、ダイバーシティ実現のために実施している様々な取り組みをご紹介します。

お話を伺った方

株式会社ポーラ
人事戦略部 ワーキングイノベーションチーム リーダー 國友 渉様(写真中央)
人事戦略部 ワーキングイノベーションチーム 廣川 直子様(写真左)
人事戦略部 ワーキングイノベーションチーム 鈴木 ひな様(写真右)
※肩書は取材当時

ダイバーシティの土台
人の力で支え合い 可能性を開くことで成長してきたカルチャー

― 会社としてダイバーシティ推進に取り組む背景をお聞かせください。

國友様
実は、ポーラの成り立ち自体にダイバーシティの考えがあるように思います。ポーラは製品訪問販売する業態で始まっています。販売員が男性しかいなかったところに「女やったら、あきまへんか(ダメですか?)。」と飛び込んできてくれた女性がいて、初の女性販売員が生まれました。1937年、まだ女性には選挙権もない時代です。

また、全国的に業務を拡大した時期には、時代的にそれまで仕事をするなんて考えたことのなかった専業主婦の方たちが力を貸してくれました。

そうした人の力で大きくなってきた会社ですので、多様な人の可能性を応援したい、支えたいというカルチャーがもともとあると考えています。

 

正しくバイアスを理解するために研修を組み立て
実感のある「自分ごと」化を目指した

― そうしたカルチャーがある中、アンコンシャス・バイアスに注目した理由は何ですか。

廣川様
アンコンシャス・バイアスは、ダイバーシティの土台となる部分だと考えています。ママさん社員は短時間勤務で働くのがよいとか、出張させたらかわいそうだとか、周囲は思いやりのつもりで配慮したことが結果として、本人の可能性を阻害することもあると思います。正しくバイアスを理解する機会が必要ではないかと着目していました。

当社総合職の男女比は半々なのに、管理職の構成比は女性が約30%と、ギャップがあることにも課題感があり、そこにもアンコンシャス・バイアスの影響があるのではと考えていました。

アンコンシャス・バイアスへの取り組み

導入時期: 2023年2月~
1)アンコンシャス・バイアスを可視化できるe-Learningツール「ANGLE」を導入
一般社員版 3回/1060名受講
管理職版 7回/100名受講
2)アンコンシャス・バイアス 学習動画視聴(管理職)
3)ディスカッション形式のワークショップを実施(管理職)

 

― ANGLEの受講を、全社員を対象とした理由をお聞かせください。

鈴木様・廣川様
役割や属性ごとの結果を出して、全社的な傾向を見ることを重要視しました。社内にある他のデータから、課題に対する仮説も持っていましたので、データを細分化して検討したいと考えていました。

國友様
以前ですと、ポーラの社員はプロパーがほとんどでした。ずっとポーラの中で過ごしてポーラの色に染まっているというような社員です。それが近年、中途採用の方も増えてきていて、社内に多様な立場や意見が存在する実感があります。そういった現状を、何らかの指標に基づいて俯瞰する必要性を感じていたのも理由の一つです。

― ANGLEの受講だけでなく、動画視聴によるマネジメント研修、ワークショップも合わせたプログラムを採用なさったのはなぜでしょうか。

廣川様
マネジメント研修でアンコンシャス・バイアスを取り上げることは昨年から検討しており、チェンジウェーブに一連の研修をお願いしたのは、e-Learning(ANGLE)から一貫して行えるため、受講者もイメージがつきやすく、自分ごと化しやすいだろうと考えたためです。

國友様
例えば会社の新しい制度など、「映像化されているので見ておいてください」というコンテンツは山ほどあるのが実情です。そのため忙しい時には流し見になりかねない。ですが、チェンジウェーブのe-Learningは、学ぶ自分自身が調査対象となっているわけですから、自分は、チームは、全体ではどんな結果になっているんだろうと、プログラムに対する意識・関心を高く持てます。知識だけでなく、実感を得られる建て付けで良かったと思います。

 

社内の好反応が人事としても嬉しい
行動変容にもつながっている

― ANGLE受講や研修の後、社内に具体的な反応や変化はありましたか。

廣川様
ANGLEは自分たちが実際に受講してみて面白かったですし、「あの動画の意味づけは…」などと話題にもなりました。メンバー層に実施した後は、「あのe-ラーニング、面白いね」とANGLEの感想をわざわざ届けてくれた社員もいました。

社員は日々忙しく、サーベイは基本的に嫌がられることが多いです。けれど今回は「忙しいのに研修なんて…」という不満の声があがらないどころか、「会社がこういうことをしてくれて(アンコンシャス・バイアスについて学ぶ場を用意してくれて)嬉しい」と言ってもらえるシーンもあって、人事としてとても嬉しい瞬間でした。

鈴木様
特に管理職は、様々な研修等も受けていますので、「それぞれの場面での適切な立ち振る舞い」については既にある程度、理解しています。けれども「自分にはどういう傾向があるのか」は客観的に知る術がありませんでした。今回のANGLE受講で自分自身の思考のクセや傾向を認識してもらえたと思います。今後、役職者にとっては、自身のバイアスを理解したうえで、メンバーとのコミュニケーションや意思決定においてプラスに働くものと思います。

行動変容という点で言うと、アンケートに「自分にはバイアスがあるのだ、と分かったことが良かった」という声がありました。「バイアスは皆にあるもの」「自分にもあるもの」という前提で、ではどうするのかと考え始めることができています。これは行動を起こすきっかけとしては大きいのではないでしょうか。

 

データをもとに各部署別の施策実現
その後は社会にも影響するビジョンを持つ

― ここから目指す、今後の展望についてお聞かせください。

廣川様
ポーラの一部では年齢バイアスが強いという数値がANGLEで見えまして、今後の課題のひとつだと認識しました。年齢バイアスについてはさらに深掘りして、「気づく→内省する→行動変容」まで、各人がサイクルを回せるような施策を考えたいと思っています。

國友様
社員の意識として、会社がこんなことに取り組んでいるな、と切り離して見るのではなく、自分たちもその一員であるのだという考え方になっていくと良いと思います。そのためにも、制度的に追いついていないようなところは一つひとつ解決していく。またはパラダイムを変えて制度設計を見直すなど、環境を整えていくことは一つのテーマになっていくと思います。

鈴木様
各部署の現状が見えてきていますので、その気づきを踏まえてどのように動いていくのか。模索中ではありますが、部署単位での動きを作っていくのが次の段階なのかなと考えています。

現在は社内向けの施策ではありますが、長期的には社会に対しても何らかの影響を与えていくことができるようなビジョンを持ち、貢献していきたいですね。

 

アンコンシャス・バイアス eラーニングツール「ANGLE」、導入・研修事例はこちら
https://angle.changewave.co.jp/

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