女性登用のハードルを越える③
パイプライン構築に必要なマインドセットとジョブアサインメント

2023.10.10

2023.10.10 ChangeWAVE

女性登用のハードルを越える③

パイプライン構築に必要な
マインドセットとジョブアサインメント

■女性登用のハードルを越える 記事一覧企業のD,E&I実現へのステップ実現へのロードマップ 3つの相違を改善する
③ パイプライン構築に必要なマインドセットとジョブアサインメント ※本記事はこちら

目標が明確に設定された今、企業が抱える新たな壁

「主任や課長層の女性は増えたものの、部長や経営層となると、手をあげる女性が出てこない」
「管理職になった女性が『これまでのリーダー像』にとらわれて負担を感じている」

D,E&Iに取り組んできた企業の多くで、女性をはじめとした多様なリーダーに活躍してほしいと考えておられますが、実際には「階段の踊り場」、停滞期に悩んでいる企業様もあります。

今回は、この状況を打破するために必要となる、育成・登用について考えます。

パイプラインを作る
~マインドセット+実体験は不可欠

近年増えてきたご相談は「課長クラスの女性管理職を、部長以上に上げるにはどうしたらいいか」というものです。

「女性管理職、役員を早く増やす方法」を現場に求める方もいらっしゃいますが、今や中途採用人材は争奪戦。ましてや「生え抜きで女性管理職を増やす」となると、かなりの難易度になる企業が少なくありません。

もちろん、短期で実施できる策もありますが、本来、上級管理職の育成は、男女問わず5年、10年かかるものです。そして、長くかかるからこそ、特に女性を対象とする場合、役員クラス、課長クラス、主任クラスの研修をバラバラに行うのではなく、ストーリーを組み立てて育成していくことをご提案しています。

実際に意思決定に関わる戦力となれる女性管理職を育てるには

これまで、女性管理職を増やすために必要なのは、女性自身が自身のワークライフバランスを考えた上で「管理職としてやっていきたい」と前向きに考えられるマインドの育成や、周囲の環境の醸成であるという意識の方が強かったように感じられます。

結果的に、企業として重要視すべきビジネスやマネジメント力の育成は後回しになってきました。

もちろん、マインドは必須です。自分の意思で「管理職としてやっていきたい」「部長として海外赴任したい」など、仕事での目標や夢を掲げられない限り、いくら上長や人事部門が働きかけたとてうまくいきません。

ただ、マインドセットだけでは不十分であり、ここ数年で急に管理職に昇進した女性の中には、意欲はあるものの、実際のビジネスにおける経験やスキルが足りていない場合もよくあります。それが本人たちの自信を喪失させたり、負担をむしろ増やしたりしてしまいます。

人間の脳には「自分と似たものを好む」という特性があり、無意識のうちに男性上司は男性部下の方が声をかけやすいと感じることがあります。結果として、当然、接点頻度は高くなりますから、ちょっとした時間、非公式な場でも仕事の話をすることになり、そうしたところからマネジメントに必要なスキルや人脈などを学び取っていることがあります。

また、「いつかは昇進していくもの」という意識も男性の方が当たり前に持っていることが多く、上長を見たり、会社の動きを見たりしながら、自然と「準備」をしてきています。
しかし、女性の多くは、上長から非公式な場での学びを得ていることが少なく、いざ昇進、という時期に「準備不足」と判断されることがあります。

昇進に向けたジョブやスキルの積み上げ準備を

無理に昇進させるより、登用前の早い時期から適切な準備を。

1年後、3年後に昇進してほしいのであれば、それに向けてどんな経験やスキルが必要なのか、自社の業務特性を考慮したうえでの業務付与、ジョブ・ローテーションから設計し、マインドセットと両輪で考えていく必要があります。

今より上の階層の仕事をするために経験やスキルを積み上げることは、女性本人の自信にもつながります。突然大きな舞台に上げられるより、一歩一歩ステップを上がり、積み上げていると本人が実感できれば、それは自信となって、いざ昇進したときに大きな力となります。

「自分には無理かもしれない」という否定的なマインドセットを外し、「できるかもしれない」と変えていくためにも、マインドセットとジョブアサイメントは両輪です。

特に役員クラス就任を期待する人材には、ライフイベント期を迎える前、早期に「経営層とは、このくらいの視座・視野・数字を見ていなくてはならないのだ」という相場観を持てるプログラムで、「成長の射角を上げる」ことをお薦めします。

アンコンシャス・バイアスに対処し、エクイティにつなげる

個に応じた育成・登用は男女の区別なく必要です。

ただ、新卒一括採用、平等な育成、比較的遅い選抜・登用といったこれまでの慣行によって生まれたジェンダーギャップという構造的な問題があることに加え、登用を決定するマネジメントにも、当事者である女性にもある「アンコンシャス・バイアス」を考えると、今しばらくは意識的に女性の育成を行う必要があるように思います。

ソフト面のアプローチに偏りがちな女性登用施策から、中長期のジョブアサインメントとの両輪に移行したことで成果を上げている例が増えてきているのは言うまでもありません。

 

【ご参考】

チェンジウェーブでは、管理職を対象に、アンコンシャス・バイアスの継続学習と組織診断を行うe-ラーニングプログラム「ANGLE Plus(アングル・プラス)」を2024年春からご提供予定です。

マネジメントのアンコンシャス・バイアスが「コミュニケーション」「機会提供」「役割付与」などにどのように影響しているか、組織観察で実感していただき、ラーニングとセルフチェックで行動の変化につなげていただくプログラムで、部門ごとの経年変化もご覧いただけるようになっています。

ご興味持っていただけましたら、当社までお問い合わせください。

お問い合わせ
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