2017年に感じた3つの変化と2018年の展望

2018.2.5

2018.2.5 佐々木 裕子
代表取締役社長

2018年に入り、早くも1ヶ月が経ちました。
今回は新年のご挨拶に変えて、変革をやってきて最近感じていることについて、まとめてみます。

■変革屋が2017年を通じて感じた3つの変化

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1)「時間をかけて変革」より「数ヶ月で変革」

環境変化のスピードがますます激しくなる中、かつてのように「2〜3年かけて変革しよう」という時間軸で考える経営者は、かなり少なくなってきたように感じます。弊社に寄せられるご相談も「1年間で成果を出してほしい」というニーズが増えてきました。

2)「組織内で変革」より「異業種/異分子力学を使った変革

もともと「社内では視野も狭いので、新しい視点を持たせたい」という異業種・異分子力学を用いた変革のニーズは高まってきていました。
しかし最近はさらにもう一歩踏み込んだ「異業種/異分子力学」のニーズが急速に高まってきています。

1つ目は、バリューチェーンのモデルを丸ごと変革するというニーズ。営業組織の働き方改革などが典型です。
かつて、「顧客企業を巻き込まなければ、真の変革はできない」「業界改革をしなければ」という声を、これほど頻繁に聞くことはありませんでした。

2つ目は、共創によるイノベーション/新規事業の創造ニーズ。MICHIKARAを通じて、行政・民間共に官民学協働ニーズがますます高まっていると感じますし、エイカレでも最近は「自社の商品・知識だけでは、顧客ニーズに応えられない」という営業女性たちの声が、多く聞かれるようになってきました。

3)「危機感を醸成する」より「やってみる」

さらに、このスピード感と複雑性の中で、短期的に大きな変革の波を生むためには、「組織内に危機感を醸成する」というコッターの7ステップより、「とにかくまずは小さくやってみる」というほうがフィットする時代になってきたように感じます。

実際、たった5名の営業女性たちが始めた1ヶ月の実証実験が、経営を巻き込み、メディアを巻き込み、たった1年で大きな波を創ってしまった事例を目撃したのも2017年でした。
まさに論より証拠≒「実証実験」は、これからの時代の変革を行なううえで、低リスクかつ破壊的な威力を持つと確信しています。

■短期間で目に見える「変化」を生むための「変革屋」の役割

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1)課題の理解

エイカレで、営業女性の皆さんが「最近クライアント自身が、課題は何か、何をやらなければならないのかを分かっていないことのほうが多い」とおっしゃっていました。変革もまさにそういう時代に突入していると感じます。

実際、「組織風土を変えたい」というご相談を伺っていると、10〜20年先を見据えた既存事業のコンセプトリニューアルをできるかどうかが本質課題だったというケースや、「女性活躍を推進したい」というご相談が、事業モデルと経営体制の変革にたどり着いたケースもありました。

私たち変革屋が最初にすべき重要な役割は、「本当に困っていることは何か/それを本当に解決しようとすると、何が変わらなければならないのか」ということを、極めて具体的かつ客観的に質問し、絞り込むお手伝いをすることだと考えています。

2)組織力学の見極め

変革を仕掛けるとき、絶対に理解しておかなければならないのは、組織にはそれぞれの「力学」があるということ。変革の動きは、この力学に乗せないとスピード感のある成果は出ません。
例えば、強烈なトップダウンカルチャーの組織が、現場の草の根活動から変革を起こそうと思っても、時間がかかり過ぎて疲弊してしまうケースがよくあります。
また、「花形組織だけは治外法権」となると、結局メインストリームを規定する組織の行動が変わらないので、組織全体の行動は変わりにくくなります。

組織の「力学」、つまり、どの部分のどの層が最も組織行動を規定しているのか/その層の人たちは周りの組織とどのような関係性にあるのか
それらを踏まえたうえで、いつ・何を・どのタイミングで・誰と仕掛けるのか、という変革の設計をしていく必要があります。

3)短期で成果が出やすい変革方法をデザイン

組織変革は、その中にある「強力な固定観念」を崩すことによって起こります。
したがって、強力な固定観念を覆す「目に見える成果」を短期で起こすことが大切です。
どんな固定観念があるのか? 固定観念を崩す成果として、現段階で最も短期で出しやすい成果は何か? をしたたかに設計していくことが重要になります。

4)人のキャスティングをする

上記を踏まえたうえで、目的に合わせて、最も崩さなければならない固定観念を崩すための「成果(実験内容と期待効果)」を考えたら、あとは誰をキャスティングするかがポイント。
マストな登場人物は、①「自分事」として熱量をもって動く人+②組織に影響力のある人。この2種類の方々の組み合わせが最も効果を生みやすいので、いかにこれらの方々を見極め、座組を組むかが肝になると考えます。

■2018年以降、「変革デザイン」により注目が集まる

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組織の複雑性が高まる昨今、もはや単体のプロジェクトや研修、ワークショップ、制度変更など、パーツだけでは物事は動きません。
本質を捉えた課題設定を行なったうえで、目指す変化を目指す時間軸で実現するための全体の仕掛け・パーツとして行なう施策の順番を、各組織の力学に合わせて、戦略的にどうデザインするかが、今後ますます重要になってくると私たちは考えています。

そのためには、組織全体、または業界や世の中全体の「システム」や「行動原理」を客観的に俯瞰しつつ、同時にその中の一人ひとりの「個」の感情や文脈に寄り添っていくことが必要になりますし、様々な分野の知見を取り入れ、新たな発想・手段を組み合わせて仕掛けを作っていくことが必要になる。
そういう意味では、変革屋である私たち自身も、常に新しい知見を取り入れ、大きく進化し続ける2018年にしていきたい。そんな風に思っています。

本年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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