多くの企業が変革の必要性を感じているのに、なかなかその一歩を踏み出せない。そんな状況を打破するには、どのような変革ストーリーを描き、進めていくべきか?
そのヒントを探るべく「One Panasonic」の仕掛け人であるONE JAPAN代表・濱松誠氏をゲストに迎え、NPO法人クロスフィールズと株式会社チェンジウェーブが共催セミナーを開催。組織変革のアプローチについて、三者それぞれが経験談を交えて語りました!120名の方にご参加いただいた本セミナーの内容をダイジェストでお伝えします。
(以下、敬称略)
※本レポートはNPO法人クロスフィールズが作成いたしました。
<スピーカー>
・ONE JAPAN 共同発起人・共同代表:濱松 誠
・(株) チェンジウェーブ 代表取締役社長:佐々木 裕子
・NPO法人クロスフィールズ 代表理事:小沼 大地 (ファシリテーター)
中期経営計画を読む、から変革は始まる
小沼:
会社を変えたい、と考えている人はたくさんいると思いますが、まず何から始めればいいとお二人は考えますか?
佐々木:
組織の潮目を読むことだと思います。自分の組織が今、どのような方向に向かおうとしているかを把握し、その流れに沿って変革を進めていく。組織の潮目って実は中期経営計画に全部載っているんです。まずはそこからのスタートではないでしょうか。
濱松:
コーポレートレポートや社内報からも組織の潮目が読み取れますよね。地道だけど重要。自分がOne Panasonicを立ち上げたのも、会社が組織活性化を加速する流れだというのを察知し、「これを後押ししよう」と思ったのがきっかけでした。
初めの一歩の踏み出し方
小沼:
組織の流れを掴んだら、次にできることは何でしょうか?
濱松:
すぐできるのは仲間集め。飲み会でも、勉強会でもいいから同志とつながるべき。変革って絶対に一人じゃできなくて、仲間と支え合うことで実現できると思うんです。
One Panasonicも大変なときを乗り越えた仲間の存在があってこそ実現できました。
佐々木:
小さい成功体験をつくるのも大事な一歩ですよね。「変えてみたら、良かった」っていう証拠づくりをすること。このとき「おお、それいい!」って相手をハッとされることが重要で、やっぱり感動することで人って動くと思うんです。私たちが企業に提供する変革プロジェクトや企画・運営する変革プラットフォームはすべてそうした仕掛けを使っています。
小沼:
あとは会社の取り組みに便乗するのも一手です。例えば留職や珍しい人材育成プログラムを導入している企業は、社員に「もっと暴れてほしい、自分たちは変わりたいんだ」ってメッセージを出している。自分が社員ならその取り組みを使わない手はないですね。
変革のキーパーソンを口説くには
佐々木:
組織で物事を進めるには、「この人に応援してもらえたら強い」って人を口説くことが重要。ポイントは部長などの管理職層と社長などの経営層、どちらにも理解してもらうことだと思います。
濱松:
経営層へのアプローチって、ハードル高そうに見えて案外難しくないんですよね。ONE JAPANではメンバーの半分が役員にメールでアポを取って直談判しているし、自分もOne Panasonic立ち上げの際はまず社長にプレゼンして応援してもらいました。
小沼:
一方で、部長レベルを説得するときに壁に直面しやすいと感じますね。この層は変化への抵抗が強くなりがちで、背景には価値観の固定化があったりします。だから部長自身が組織から出る「越境」体験をすることで多様な価値観に触れ、変化に対して柔軟になってもらうことが大切だと考えています。
明日からやってみよう
最後に組織変革に挑む方々へメッセージをお願いします。
濱松:
仲間の存在が大事! 1人だったら変なやつ、5人揃えば変革集団。だから仲間を集めて、どんなことでもまずやってみてください。
佐々木:
経営者と話す機会が多いのですが、共通して彼ら・彼女らは変革してくれる若手の重要性を認識しています。社会全体としても変革の流れが来ているから、とにかくやっちゃえばいいと思います!
小沼:
変革人って昔は変人だったんですよね。でもいまは変人たちの取り組みが変革として認められてきている。もっと社会を変えるため、みなさんと一緒に変革を起こしていきたいです。
組織の変革、と言うと大げさに聞こえますが、3人の話からは「一歩」から始め、広げていく「仕掛け」があれば、必ず結果につながることが見えてきます。
ニューノーマルの時代に組織と人がどんな変革をしていくのか、クロスフィールズとチェンジウェーブでは今後も企業の伴走・応援に取り組んでいきたいと考えています。
【イベント共催】
NPO法人クロスフィールズ http://crossfields.jp/
株式会社チェンジウェーブ